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11.03.20 援と縁(5)

被災された方々の多くは日本の方ですが、中には外国の方もいらっしゃったと思います。仕事や研修生として来日し、働いている方達も大変な状況に置かれていらっしゃるのではないかと心配です。

今日は地元で日本語教室の日でした。いつもは15名程で行う授業ですが、今日はたったの2名です。研修生の中国人と日系ブラジルの女性に他の人の欠席理由を聞くと、地震が恐いからだそうです。中には帰国の準備で休んだ人もいました。そういえば、数日前、東京の入国管理局には一時帰国の外国の人々が再入国許可を求めて長蛇の列を作っていましたね。

ここは名古屋近郊ですので、東北地震より、その後起こった富士山近くの地震で東海地震が来るのを恐れてのことです。少し遅れて日系ペルーの生徒さんが3名来ました。彼女達は日本と同じ地震国から来日しているので、そんなに恐がっているようには見えませんが、福島の原発事故を心配していました。そこで、今日は授業内容を急遽変え、災害時の日本語を学習しました。

私は以前大学の研究で、災害時にはどんな日本語がわかりやすいか調査したことがあります。外国人が多く居住する市町村は、災害マニュアルを翻訳して配布しているところもありますが、英語などポピュラーな言語のみです。そして、外出時に災害に遭ったら、マニュアルは持っていないでしょう。

ですので、各国語の翻訳マニュアルより、多国籍の人たちにわかりやすい日本語で対応したほうが有効だと考えた訳です。

調査の結果、日本人は災害時には漢語を使用する傾向にあります。例えば、「緊急速報、避難経路、集合、発生」などなど。しかし、外国人には和語のほうがわかりやすいことがわかりました。「急ぎます、集まります、逃げます」などです。

今回、電車内で地震に遭い、どうして止まってしまったのか不安を経験した人もいました。また、緊急メールが携帯電話に入ったけれど、漢字がわからなくてただの宣伝だと思い消去してしまった人もいました。

私は、生徒さん達に、周りの日本人に何が起こったのかすぐ聞くように、そして、できれば日本人といっしょに行動したほうがいいと伝えました。ですから、もし、緊急時にきょろきょろしている人がいたら、たとえ顔は日本人っぽくても、その人たちは日系人やアジアから来た研修生の可能性がありますから、上記のような和語で状況を説明していただけたら本当に助かります。

災害などの緊急時は日本人も外国人もありません。お互い協力しあい、少しでも安全に過ごせるようお願いいたします。

救援も原発事故の対応も少しずつ具体性を増してきました。復興まではまだまだ時間がかかります。どうぞ皆様大変な状況ですが、がんばってください。今日は名古屋は暖かい1日でした。東北地方も少しは寒さが緩んできたでしょうか。皆様のご無事をお祈りいたします。

                      山香の福にゃん

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